「Big Navi」や「Nvidia Killer」と呼ばれているRadeon RX Navi 2グラフィックボード(RX 5950 XTか?)がAMD最初のRDNA 2ベースの製品になることが、 AMD最高財務責任者(CFO)のDevinder Kumar氏によってBank of America 2020 Securities Global Technology Conferenceにおいて明言された模様です。
AMDのRDNA 2アーキテクチャは、PlayStation 5やXbox Series Xなどの次世代家庭用ゲーム機でリリースされる前に、先にPC向けのグラフィックボードとして発売されるということですね。
「Big Navi」Radeon RX 5950 XT は11月までに発売か
PlayStation 5とXbox Series Xはどちらも2020年のホリデーシーズンに発売されると言われており、いわゆるクリスマス前後の年末商戦でリリースされるずです。
つまり、PC向けのAMD RDNA 2ベースのグラフィックボード「Big Navi」(おそらくRadeon RX 5950 XT)はそれよりも前、2020年11月までに発売されるということになります。
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RDNA 2アーキテクチャは前世代と同様の大ジャンプ
AMDのRDNA 2アーキテクチャは、現行のRadeon RX 5700 XTなどのRDNAベースの製品と比較してワットパフォーマンスが50%も向上すると明言されています。
AMDはRDNA 2のこの大ジャンプを「RDNAと同じ7nmプロセスダイのまま」実現しているのは凄いことなのではないでしょうか。
(同じ7nmですが厳密にはTSMCのN7からN7+に移行していると予想されています。)
RDNA 2アーキテクチャ採用のRadeon RX Navi 2Xグラフィックボードは、「Big Navi」または「Nvidia Killer」と呼ばれるRX 5950 XTを筆頭に、4Kゲーミングも含めてNVIDIAと拮抗するようになると言われています。
現状の「Big Navi」Navi 2(RDNA 2)の情報をまとめると以下の通りです。
- Navi 2はVegaから50%高効率になったNaviよりも更に50%高効率
- 7nmプロセスをさらに最適化し7nm+に
- トランジスタの効率向上、ダイサイズの縮小
- ハードウェアレベルでレイトレーシングに対応
- VRS(可変レートシェーディング)に対応
(VRS:画面端など、注視部分以外の画質を落とすことで、プレイヤーへの影響を抑えつつGPUの負荷を下げる技術) - VRAMにはGDDR6を採用(一部HBM2製品も?)
- MicrosoftのDXR 1.1(DirectX 12 API Ultimate)に対応(デモはこちら)
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RDNA 2アーキテクチャのNavi 2は今後のAPUにも搭載
ちなみに、Devinder Kumar氏はカンファレンスにおいて「RDNA 2はどのGPU製品にも一気通貫で採用される」という趣旨のことを発言しています。
これはゲーミングPC向けの外付けグラフィックボードや、PS5・Xbox Series Xなどの家庭用ゲームコンソール機だけでなく、モバイルやデスクトップ向けのAPU内のiGPUにもNavi 2が採用されるということを示唆していて、以前の情報の裏付けが一つとれた形になります。
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ゲーム向けRDNA・演算向けCDNAに分けることで効率が向上
AMD CFOのDevinder Kumar氏はRDNA2の議論に際し、CDNA2についても含めて以下のように発言しています。
「ゲーム向けの機能にはコンピューティングには不要なものがあり、逆にコンピューティング向けの機能にはゲームに不要なものがあります。そのため、効率とパフォーマンスを向上させるために、アーキテクチャを2つに分けることにしました。」
「今後5年間はゲーム向けGPUとデータセンター向けGPUの両方で成長できるチャンスであり、ロードマップを二分したことでワークロードや使用目的別に最適化することができるため、GPUの領域でも売り上げを伸ばすことができるようになるでしょう。」
「Big Navi」=「Sienna Cichlid」説
これは先日急にぽっと出で出てきた話題なのですが、Linuxのドライバパッチの中に「Navi 21」(Navi21=gfx1030)というGPUの記載が見られ、そのNavi 21に「Sienna Cichlid」というコードネームが与えられていたことで「Big Navi」のコードネームは「Sienna Cichlid」(シエナ・シクリッド)なのではないかと微妙に噂されています。
LinuxのドライバパッチにAMDの新GPUのコードネームと思わしきものが登場したことで、AMDの次世代グラフィックボードの発売もそろそろなのではないかと話題になりました。
ただし、そもそも「Navi 21」がフラグシップモデルを指しているのかどうかも不明なので、あまり深く考えるだけ無駄かもしれません。
これに関しては正直個人的にはあまり興味がないですね(笑)
Big Navi・Ampereの発売日はいつ
AMDは「Big Navi」を「Halo Product」であると言及しており、RyzenにおけるHalo製品はRyzen 9 3950X、ThreadripperにおけるHalo製品はRyzen Threadripper 3990Xであることから、「Big Navi」はRadeon RX 5950 XTというウワサ通りの名称になるのかもしれないと予想しています。
(Haloは直訳すると「後光がしている」、「栄光の」、「(聖なる物の取り巻くような)輝かしい光をまとっている」というような意味の言葉です。簡単に言えば「めっちゃ気合い入れて作ってるフラグシップモデルだよ」ということです。)
AMDは2020年に次世代Zen 3 Ryzen 4000シリーズとRDNA 2グラフィックスの両方をリリースする予定と言われています。
また、AMDとNvidiaのどちらも今年2020年9月に新しいグラフィックスカードをリリースする予定ともウワサされています。
このことから、現状では今年の9月にAMDの「Big Navi」やNvidiaの「Ampere」RTX 3080 Ti などの次世代グラフィックボードが発売、または発表されるのではないかという説が有力です。
AMDの「Big Navi」Radeon RX 5950 XTは、レイトレーシングが可能なRDNA2ベース初のGPUであり、以前の情報ではNvidiaのRTX 2080Tiよりも30%程度性能が高くなると言われていました。
RTX 3080 Tiに勝てるかはわかりませんが、今までよりもかなり期待できるグラフィックボードになるのではないでしょうか。
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