今回、Intelの第12世代Alder Lake-Sと第11世代Rocket Lake-SデスクトップCPUの情報が新たにリークされてきました。
第12世代Alder Lake-Sは、以前DDR5には非対応になるのではないかと記事にしましたが、今回の情報ではやはりDDR5をサポートするとウワサされています。
また、14nm最後の第11世代Rocket Lake-SのTDPに関する情報も中国のPTTフォーラム上でリークされています。
Intel 第11世代 Rocket Lake-Sの詳しい情報はこちら:
【Intel第11世代CPU】Intel最後のデスクトップ向け14nm「Rocket Lake-S」の情報がリーク:新アーキテクチャ、Xeグラフィックス、PCIe 4.0など【チップセット再更新か】
Intel第12世代Alder Lake-SデスクトップCPUはやはりDDR5メモリをサポートする?
3週間ほど前に、Intel Alder Lake-SデスクトップCPUの詳細情報がリークされ、LGA 1700ソケットの仕様の一部が明らかになりました。
関連記事:
【LGA1700は3世代をサポートする!?】Intel第12世代Alder Lake-SデスクトップCPUからLGA1700ソケットに変更【Alder Lake-SはDDR5非対応か】
前回のリークではLGA1700は初めの第12世代Alder Lake-SではDDR5やPCIe 5.0に対応していなさそうなことが言われていたのですが、今回の情報によるとIntel第12世代のAlder Lake-SデスクトップCPUからDDR5メモリをサポートするとウワサされています。
Alder Lake-Sは定格で最大DDR5-4800MHzメモリに対応か
Intel第12世代Alder Lake-SデスクトップCPUの大きなアップデートの一つに次世代DDR5メモリのサポートが位置付けられている模様ですが、そのDDR5メモリの対応レベルはマザーボードの造りによって異なってくるようです。
Alder Lake-S CPUはDDR5-4800MHzメモリをネイティブでサポートすると言及されていますが、現状、DDR5-4800MHzを動作させるためには1DPC(1チャネル当たり1枚のシングルランクDIMM)までが限界であり、2DPCで動作させた場合はDDR5-4000MHz辺りが限界と言われています。
(DPC:DIMM Per Channelの略、チャンネル当たりのメモリの枚数またはランク。1DPCは1チャネルにつきシングルランクのメモリ(DIMM)1枚まで、2DPCはチャネルごとに2枚のシングルランクメモリか1枚のデュアルランクメモリに対応。)
また、1DPCは通常の4層マザーボードでは対応できますが、2DPC(簡単に言えばメモリスロット4つのこと)に対応するには質の高い6層構造のマザーボードが必要になり、コストが結構上がるみたいですね。
現状のままリリースされれば、Alder Lake-SでDDR5の高速メモリの恩恵を受けるためにはハイエンドマザーボードが必須という状況になりそうです。
また、高クロックを狙う場合は必ずシングルランクのDDR5メモリを選ぶ必要もありそうです。
Intel 第12世代 Alder Lake-S とは
Alder Lake-Sの情報はこちらの記事を是非ご覧くださいませ。
【LGA1700は3世代をサポートする!?】Intel第12世代Alder Lake-SデスクトップCPUからLGA1700ソケットに変更【Alder Lake-SはDDR5非対応か】
Alder Lake-Sは第11世代Rocket Lake-Sの後継のIntel第12世代にあたるデスクトップCPUで、発売は2021年後半から2022年初頭になるといわれています。
初めてIntel 10nmプロセスを採用し、高性能コアと低電力コアをハイブリッドさせるBig / SmallコアアーキテクチャをデスクトップCPUに導入するIntelの挑戦的なCPUと言われています。
(いわゆるARMのbig.LITTLE構成のアーキテクチャ)
Intel Alder Lake-Sは、10nm+プロセスノード(モバイル向け第11世代Tiger Lakeに採用)をさらに改良した10nm++プロセスノードが採用される模様で、コア構成は現状以下の3通りの情報があります。
第12世代Alder Lake-Sは高性能コアにGolden Coveコア、低電力コアにGracemontが採用されると言われています。
Intelの2021年アーキテクチャロードマップから読み取れるGolden CoveコアとGracemontコアの情報をまとめると以下の通りです。
Intel Golden Cove アーキテクチャ:
- Willow Coveから更にIPCが向上
- 人工知能(AI)のパフォーマンスが向上
- ネットワークや5Gのパフォーマンスが向上
- セキュリティ機能が強化
Intel Gracemont アーキテクチャ:
- TremontからIPCが向上
- 周波数(クロック速度)が向上
- ベクトルパフォーマンスが向上
高性能コアのGolden CoveはWillow Coveを大きく超えるアーキテクチャのジャンプと言われており、高効率コアのGracemontはTremontに多数の改善と新機能を加えられています。
Intelは、この第12世代Alder Lake-SデスクトップCPUで高性能コアと高効率コアを組み合わせたアーキテクチャを導入することで、これまでのデスクトップCPUのあり方を根幹から見直すつもりかもしれませんね。
Intel 第12世代 Rocket Lake-SデスクトップCPUのTDPが判明
PTTフォーラムで報告された内容によると、Intel第11世代Rocket Lake-Sには、現状で3種類のTDPに基づくSKUが存在している模様です。
TDP 95WのCPUには8コアモデルと6コアモデル、TDP 80Wまたは65WのCPUには8コア・6コア・4コアのモデルが用意されているとのこと。
TDP(PL1)95Wのモデルには、「173WのPL2」と「251WのPL4」が設定されており、Tau値は56秒になっています。
(Tau値:PL2以上のブーストを維持できる時間のこと。普通はTau値の時間ブーストを維持するとPL1≒定格TDPの動作に戻る。/ PL:Power Limitの略。)
TDP 80Wのモデルには「146WのPL2」、「191WのPL3」、「251WのPL4」が設定されていますが、Tau値は28秒と短めになっています。
TDP 65Wのモデルの場合は、「128WのPL2」、「177WのPL3」、「251WのPL4」が用意されており、こちらもTau値は28秒となっています。
PL2、PL3、PL4の呼び方は恣意的であり、そのうちどれかが実際のPL2として設定される可能性があると思っています。
先日発売されたIntel第10世代Comet Lake-SデスクトップCPUや前世代の第9世代デスクトップCPUのTDP(PL1)・PL2と比較してみると、以下の表のようになります。
Rocket Lake-S 既存CPU PL比較 | TDP (PL1) | PL2/PL3/PL4 | PL1 と PL2 以降の差 | Tau |
---|---|---|---|---|
Rocket Lake-S (8コア/6コア) | 95 W | 173/251 W | +82.1%/+164% | 56 s |
Rocket Lake-S (8コア/6コア/4コア) | 80 W | 146/191/251 W | +82.5%/+139%/+214% | 28 s |
Rocket Lake-S (8コア/6コア/4コア) | 65 W | 128/177/251 W | +96.9%/+172%/+286% | 28 s |
Core i9-10900K | 125 W | 250 W | +100% | 56 s |
Core i7-10700K | 125 W | 229 W | +83.2% | 56 s |
Core i5-10600K | 125 W | 182 W | +45.6% | 56 s |
Core i9-9900KS | 127 W | 159 W | +25.2% | 28 s |
Core i9-9900K | 95 W | 119 W | +25.3% | 28 s |
現状ではこれ以上Intel第11世代Rocket Lake-Sのラインナップの考察はできませんが、Intelは第10世代以降PL2の電力リミットを大幅に上げることで絶対的な性能を確保していく方向なことが伺えるので、第10世代と同じ14nmのRocket Lake-Sもその方針になるのが濃厚だと個人的には予想しています。
良ければシェア、Twitterフォロー、YouTubeチャンネル登録よろしくお願いします。
Twitter : ぽんたす
YouTube : ぽんたすチャンネル
コメント