VideoCardzがComet Lake-Sの後継となるRocket Lake-Sの情報をリークしました。
Rocket Lake-SはIntel 14nmデスクトップCPUのメジャーアップグレードであり、新しいコアアーキテクチャ、Xeグラフィック、12ビットAV1、PCIe 4.0、2倍のDMI 3.0レーン、Thunderbolt 4を搭載すると記載されています。
脆弱性のあるSoftware Guard Extensions(SGX)セキュリティは削除されるようです。
最後の14nm CPU、Rocket Lake-S
Rocket Lake-S(RKL-S)は今年発売予定のComet Lake-S(第10世代Coreシリーズ等)の後継で、さらにその後継はIntelのbig.LITTLEハイブリッドアーキテクチャを備えた10nm++プロセスのAlder Lake-Sと予想されています。
Rocket Lake-Sが消費者向けのIntel最後の14nmプロセスCPUになる予定です。
サーバー・ワークステーション向けのIntel CPUについては、今年、14nm++プロセスのCooper Lakeが計画されています。
10nm→14nmバックポートで新アーキテクチャを実現か
Rocket Lakeについて軽くおさらいすると、Rocket Lakeというコードネームは1年前にTweakersでリークされた2種類のロードマップで初めて登場。
このロードマップから、Rocket Lakeは14nmプロセスで製造され最大10コア、グラフィックスは14nmと10nmの両バージョンが存在することが判明しましたが、最近の噂では最大8コアまで減らすと言われています。(やはり歩留まりが相当悪いのでしょうか。)
この通りIntelは14nm CPUコアと10nmグラフィックスチップを組み合わせるRocket Lakeを計画しており、Tom’s Hardware曰く、昨今のIntelの10nm開発事情と2018年のアーキテクチャデーでのコメントを考慮すると、モバイル向け10nmプロセスCPUのTiger Lakeの一部(おそらくWillow Coveコア)を14nmプロセスにバックポートして製品化する可能性があるとのこと。
(Tiger Lake:モバイル向け10nmプロセスCPU「Ice Lake」(Core i7-1065G7等)の後継となるCPUのコードネーム)
このバックポートにより、デスクトップ向けCPUにモバイル向けに開発したCPUアーキテクチャが移植されることになります。
第10世代Coreシリーズ等のComet Lake-Sも未だに第6世代のSkylakeに基づいたアーキテクチャであり、Rocket Lakeがデスクトップ向けCPUで久しぶりのアーキテクチャ更新となるのは注目ポイントで、リークされた図には、「新しいプロセッサコアアーキテクチャによりパフォーマンスが向上した」と書かれています。
Intelによると、Ice LakeのSunny CoveコアはSkylakeと比べてIPCを18%を改善しており、Willow CoveコアはSunny Coveと比べてIPCをさらに5〜10%改善する可能性があるとのことで、Skylakeと比較するとIPCが25%程度向上することになります。
(IPC:クロック当たりの処理能力のことで、例えば同じ3.0GHzでもIPCが25%上がればパフォーマンスが25%上がることになる。)
新GPUアーキテクチャのXeグラフィックスもイイ感じ
Rocket Lakeでは、統合グラフィックス(コードネームはGen12)に新しいXeアーキテクチャを採用する模様。
これはTiger LakeとDG1グラフィックボードに使われているアーキテクチャで、XeグラフィックスはAV1エンコードとデコードの両方に対応する予定です。
コーデック処理はCPUにとって高負荷な作業なので、XeアーキテクチャのiGPUがコーデック処理に対応するのもRocket Lakeの注目ポイントになりそうです。
同時に、Tiger LakeとDG1グラフィックボードがコーデック処理をサポートすることも分かったので、非常に良いニュースですね。
Xeグラフィックスチップも14nmにバックポートされたものなのか、別製造で10nmのまま搭載されるのかは現状の情報では不明です。
PCIe 4.0などI/O周りも改善
I/O周りはAMDがPCIe 4.0対応で一歩リードしている部分ですが、Rocket Lake-SはAMDに追いつくようにI/O周りも大幅に更新されています。
Rocket LakeではCPU直結PCIe 4.0のレーン数を16から20に増やし、NVMe SSDとGPUの両方ともCPUに直接接続できるようになります。
またCPUからチップセットへのDMIリンクもレーン数がx4からx8に増加し、チップセットを介して接続されたデバイスの帯域幅が2倍になります。
ただし、チップセットから出るレーンはPCIe 3.0のままです。
USB 3.2 Gen 2×2にも500番台チップセットで対応できるようになります。
Thunderbolt 4もサポートされますが、以前記事にしたようにThunderbolt 3よりも通信速度が上がるのではなく、USB 4.0やUSB 3.2 Gen 2×2もThunderbolt 4で転送できるようになります。
その他、Rocket Lake-Sの新機能としては、統合されたHDMI 2.0b/DisplayPort 1.4aによるディスプレイ機能の強化や、12ビットAV1およびHEVC圧縮によるメディア対応の強化、新しいオーバークロック機能、DDR4メモリ速度の向上、USBへのオーディオオフロードなどが記載されており、個人的にはComet Lake-Sよりもワクワクする内容になっています。
チップセットも再び更新、第10世代の買い控えが起きる??
デスクトップ向け第10世代Coreシリーズ等のComet Lake-Sがまだリリースされていない状況の中でリークされたさらに次世代の「Rocket Lake-S」ですが、この内容だとComet Lake-Sの買い控えが起こりそうな予感がします。
チップセットも400番台ではなく500番台となっているので、ソケットが変わるかは不明ですが、第11世代Intel CPUをフル活用するにはまたマザーボードの買い替えが必要になってきそうでもありますし。
ただ、全体的にはRocket Lake-Sは面白い内容になっているとおもいます。
あとは、バックポートされてきた新しいアーキテクチャでどれくらいクロックを上げられるのか等も気になるところですね。
Intelの最後のデスクトップ14nm、有終の美を飾ることに期待していきましょう!
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