【Core i9-10980HKは最大5.3GHz!】Intel第10世代Comet Lake-HモバイルCPUのスペックがリーク【Intel Core vs. AMD Ryzen】

CPU
Image Credit : Intel; VideoCardz
この記事は約6分で読めます。

昨日、AMDのモバイルRyzen 4000シリーズがリリースされましたが、本日はIntel第10世代Comet Lake-HモバイルCPUの公式情報が載ったスライドがHDTecnologíaからリークされました。

高フレームレートゲーミングにはCore i9-10980HK!

Intel第10世代Comet Lake-HのフラグシップモデルはCore i9-10980HKとなっています。

Core i9-10980HKを3年前のハイエンドPCと比較すると、ゲームではフレームレートが最大54%上昇、全体的なパフォーマンスで44%の性能向上、4K映像のレンダリングと書き出しで最大2倍のパフォーマンス、等の内容がスライドには書かれています。
(なぜ3年前のハイエンドと比べているのかは多少気になります。見栄えの良さ的にその辺りと比較するしかなかったのかもしれませんね。)

14nmでAMDの7nmに勝つにはクロックを上げるしかない

Intel第10世代Comet Lake-HモバイルCPUのラインナップは以下の表のとおりです。
(ただし、あくまでもリーク情報であり、公式発表ではないことにご注意ください。)

Comet Lake-HはIntelの14nmプロセスノードに停滞しており、実質的にSkylakeの延長線上で、コア数とキャッシュは前世代のCoffee Lake-Hと同様のスペックになっています。

ただし、Comet Lake-HはCoffee Lake-Hよりも更にクロックを上げて製品化されており、Core i9-10980HKは最大5.3GHzにまでブーストできるようです。
(消費電力大丈夫・・・?)

ライン
ナップ
ベース
クロック
(GHz)
最大
ブースト
クロック
(GHz)
コア /
スレ
ッド
TDP
(W)
Intel
TVB
倍率
アン
ロック
キャッ
シュ
メモリ対応Optane
メモリ
対応
Core i9-
10980HK
2.45.38 / 164516
MB
DDR4-2933
デュアルチャネル
Core i7-
10875H
2.35.18 / 164516
MB
DDR4-2933
デュアルチャネル
Core i7-
10850H
2.75.16 / 1245部分的12
MB
DDR4-2933
デュアルチャネル
Core i7-
10750H
2.65.06 / 124512
MB
DDR4-2933
デュアルチャネル
Core i5-
10400H
2.64.64 / 8458
MB
DDR4-2933
デュアルチャネル
Core i5-
10300H
2.54.54 / 8458
MB
DDR4-2933
デュアルチャネル

スライドによれば、Core i9とCore i7だけがIntel Thermal Velocity Boost(TVB)を利用できるようで、Core i9-10980HKが最大5.3GHzに達するのはこのTVBが有効になったときのようです。
(Thermal Velocity Boost:電力と冷却に余裕がある場合にのみ、Turbo Boostを超えてクロックを上げられるようになるIntelの機能/技術のこと。)

Core i7の中では10875Hが唯一8コア16スレッドとなっていて、i7-10850Hとi7-10750Hは6コア12スレッドまでになっています。
スライドが正しければ、【第10世代Comet Lake-HのCore i7には8コアモデルと6コアモデルが存在する】ので、ご購入の際にはコア数にご注意ください。

Image Credit : Intel; VideoCardz

Intel第10世代Comet Lake-H vs. AMD Ryzen 4000シリーズ 比較

AMDのここ数年の猛攻勢により、IntelとAMDの競争はノートPC向けCPUでも激化することは容易に想像できます。
以下に参考までに比較表を載せましたので、ご覧くださいませ。

AMDのモバイルRyzen 4000シリーズ「Renoir」についてはこちらこちらの記事が参考になると思いますので、ぜひご覧ください。

CPUベース
クロック
(GHz)
シングル
コア最大
(GHz)
コア /
スレッド
TDP(W)L3
キャッシュ
メモリ対応
Intel Core i9-
10980HK
2.45.38/164516 MBDDR4-2933
デュアルチャネル
AMD Ryzen 9
4900H
3.34.48/16458 MBDDR4-3200,
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
Intel Core i7-
10875H
2.35.18/164516 MBDDR4-2933
デュアルチャネル
AMD Ryzen 7
4800H
2.94.28/16458 MBDDR4-3200,
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
Intel Core i7-
10850H
2.75.16/124512 MBDDR4-2933
デュアルチャネル
Intel Core i7-
10750H
2.65.06/124512 MBDDR4-2933
デュアルチャネル
AMD Ryzen 5
4600H
3.04.06/12458 MBDDR4-3200,
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
Intel Core i5-
10400H
2.64.64/8458 MBDDR4-2933
デュアルチャネル
Intel Core i5-
10300H
2.54.54/8458 MBDDR4-2933
デュアルチャネル

IntelのComet Lake-Hは、DDR4 2933MHzメモリのデュアルチャネルをネイティブでサポートするようになり、Coffee Lake-HのDDR4-2666から改善しましたが、依然としてAMD ZEN 2のDDR4-3200MHzネイティブ対応には及んでいません

Intelはワンクリックで簡単にCPUをオーバークロックできるSpeed Optimizerという新機能を導入する予定で、Speed OptimizerはCore i9-10980HKのようなアンロックされたCPUでのみ利用することが可能。
スライドによればCore i7-10875Hは部分的にアンロックされていますが、Speed Optimizerがi7-10850Hで動作するかどうかは今のところ不明です。 

また、Comet Lake-Hは統合Intel Wi-Fi 6 AX201をサポートすると謳っており、低遅延で高速なワイヤレス通信ができるようになるとのこと。

14nmでクロックを上げすぎた弊害:10nmはどうすんの

昨今のAMDの急成長により、Intelは無理にでも14nmプロセスを改善してクロックを上げ、AMDが7nmに進んだ分のギャップを埋めなければなりませんでした。

しかし14nmプロセスが成熟しすぎてしまい、10nmに移行する際、IPCは改善するものの未成熟な10nmは14nm程クロックを上げられず、性能としては低下してしまうという問題が発生します。
このことを欧米では「シリコンウロボロス」問題と呼んでいるようです。(ウロボロスというのは自分の尻尾から自分自身を食べ進むヘビ(のような生物)のことです。)

Intelがこのジレンマに対処する方法としては14nmプロセスを維持したまま性能を上げ、その間に7nm(またはそれ以下)プロセスの開発を推し進めるしかないと言われており、結果的に10nmプロセスの製品寿命を短くせざるを得なくなります
実際、IntelのCFOの発言から、このような計画を進めようとしているのではないかと考えられていますね。

Intel第10世代Comet Lake-HモバイルCPUは4月2日にリリースされるとのことなので、ノートパソコン・ゲーミングノートの市場でIntel vs. AMDの熱い戦いが見れそうですね!


良ければシェア、Twitterフォロー、YouTubeチャンネル登録よろしくお願いします。
Twitter : ぽんたす
YouTube : ぽんたすチャンネル

コメント

タイトルとURLをコピーしました