DigiTimesの最新の調査によると、コロナウイルス蔓延によって工場の稼働率が著しく低下し、中国と台湾の集積回路（IC）設計会社の売り上げは2020年の第2四半期まで大きな打撃を受けるとのこと。
2020年上半期まで半導体、ノートパソコン、スマートフォン、ディスプレイパネルなどの供給が不安定になると予想されている。
ノートパソコンの製造がかなり厳しい状況に
ノートパソコンはおおよそ90％が中国で製造されていますが、中国国内ではパーツ供給とユーザー需要の両方が打撃を受けており、需給の両側面でかなりの悪影響が予想されています。
またDigiTimesによると、Compal Electronics、Quanta Computer、Wistronなどの台湾ODMが中国の重慶、昆山、上海にある工場の稼働を再開したが、稼働率は20％にしか達していないとのこと。
おいおいヤバくないか？
一応各製造会社は、部品サプライヤにおける14日間の検疫が終了する2月24日から、工場の稼働率改善を期待してはいます。
ただし噂によれば、製造職種ではなくサービス職種で働くことを望むODM従業員の割合が多く再就職率がかなり低いため、工場配置の人材を新たに募集する必要がある模様。
筆者は世界最大手PCベンダーのサプライチェーンオペレーションをしていたこともありますが、工場人員の募集をかけてもそう簡単には人手は集まらないんだよなぁ。上手くいくといいけど。
半導体は売り上げに影響
半導体の製造に関しては、中国国内の工場はほとんど自動化されていることと、もともと中国の旧正月である程度稼働率が下がる予定だったため、第1四半期に対するコロナウイルスの影響は小さいようです。
ただし、製造はOKでもやはりコロナウイルスの影響で需要がかなり減少しているので、在庫のはけが悪くなり、第2四半期の収益は減少する予想が出ている。
DigiTimesは5Gチップの出荷にも言及しており、第4四半期、つまり今年の終盤まで出荷が大幅に増えることはないだろうとの予測を出しています。
最新iPhoneの製造が追いつかないかも
中国4大スマホメーカーのHuawei、Oppo、Vivo、Xiaomiは、第1四半期総出荷の15.2%を損失すると試算されており、出荷台数は8400万台に減少する見込みとなっています。
DigiTimesの調査によれば、一部のスマートフォン部品サプライヤは3月中旬まで稼働率50%に落ち込むと予想されています。
Foxconnは前述と同様に従業員の復帰率の低さに苦戦しており、次世代iPhoneの製造が第1四半期前後で予定より10%減少し、それにより秋に発売予定のiPhoneの出荷がかなりタイトになる予想も出ている。
日本ではiPhoneがかなり人気だから、在庫が不十分で入手困難になると転売ヤーが出てきてよくないんだよなぁ。
AppleのライバルであるSAMSUNGに関しては、ベトナムとインドを主な製造拠点としているため、今回のコロナウイルスの影響は比較的小さくなる見込み。
実は液晶パネルが一番ヤバい説
中国の3台液晶パネルメーカーのBOE Technology、Tianma Microelectronics、China Star Optoelectronics Technology（CSOT）は全てコロナウイルスの発生源となった武漢を拠点としており、従業員の隔離や自宅待機の影響でかなりの打撃を受けた模様。
CSOTが最も影響を受けたらしく、工場稼働率は30%しかないそうです。
また、CEC Panda LCD Technologyの南京工場、BOE Technologyの重慶工場と合肥工場、Century Technologyの深セン工場は2月17日まで閉鎖されるため、液晶パネルの出荷にある程度の影響があることは容易に予想できますね。
一方で、EverDisplay Optronics、Visionox、RoyoleなどのAMOLEDディスプレイパネルメーカーに関しては、中国拠点ではあるがほとんどの部品を輸入しているため、さほど今回の影響を受けないだろうといわれています。
みんな健康にはお気をつけて
コロナウイルスに関してはいろいろな情報が飛び交ってますが、皆さん各々で気を付けて過ごしてくださいな。
いくらただの風邪レベルの症状だったと仮定しても、かかりたくはないですからね。
ちなみ筆者は今週、スーパーで買った「生食用」生ガキを食べてノロウイルスにあたりました。
最悪でした。スーパーの生食用はもう信じません。
今後生ガキを食べる時は外食で殻付きのものだけにしたいと思います。
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