Ryzen 7 PRO 5750G、Ryzen 5 PRO 5650G、Ryzen 3 PRO 5350G等がラインナップされているAMD Ryzen 5000G「Cezanne」デスクトップAPUのリテール版のベンチマーク性能がChiphellのフォーラムで公開されました。
デスクトップ向けのRyzen 5000G APU「Cezanne」はZen3コアを搭載しており、現時点では標準モデルとPROモデルのバリエーションが自作PC市場向けに公表されています。
今回ベンチマークテストされたのはPROモデルのデスクトップAPUではありますが、ノーマルのRyzen 5000GシリーズとRyzen PRO 5000Gシリーズは現状では同じ仕様になっているので(なぜ?笑)、PROのパフォーマンスはおおむねノーマル版でも当てはまると予想できます。
さて見ていきましょう。
ついにリテール版のZen 3 Ryzen PRO 5000Gデスクトップ向けAPUの性能が判明
AMD Ryzen 7 PRO 5750G デスクトップAPU
AMD Ryzen 7 PRO 5750Gは8コア16スレッドを搭載し、ベース3.8GHz・ブースト4.6GHzというクロックスピードでありながらTDPは65Wという低電力に抑えています。
CPU部分には合計16MBのL3キャッシュと4MBのL2キャッシュを搭載し、グラフィックスには約2.0GHzのクロックで駆動する8基のCU=512基のストリームプロセッサを備えたVega 8 iGPUを搭載しています。
ちなみにRyzen 7 5700GE はTDPが35Wとさらに省電力化されており、その分ベースクロックが3.2GHzに抑えられています。
価格帯はアメリカ価格で350ドルから400ドルで販売されると予想されています。
AMD Ryzen 5 PRO 5650G デスクトップAPU
AMD Ryzen 5 PRO 5650Gは6コア12スレッドを搭載し、周波数はベース3.9GHz・ブースト4.4GHzで、TDPはRyzen 7 同様65Wとなっています。
CPU部分には合計16MBのL3キャッシュと3MBのL2キャッシュも備え、グラフィックスにはクロック1.9GHzのVega 7 iGPU(7CU/448ストリームプロセッサ)が採用されています。
低電力版のRyzen 5 5600GEのTDPは35Wに抑えられており、ベース3.4GHz・ブースト4.4GHzまでコアクロックが落とされています。
AMD Ryzen 3 PRO 5350G デスクトップAPU
AMD Ryzen 3 PRO 5350Gは4コア8スレッドを搭載し、ベース4.0GHz・ブースト4.2GHzのクロックになっており、TDPは同じく65Wです。
CPU部分は8MBのL3キャッシュと2MBのL2キャッシュを搭載し、グラフィックスにはクロックスピード1.7GHzで駆動するVega 6 iGPU(6CU/384SM)を備えています。
低電力版のRyzen 3 5300GEは他と同様にTDP35Wであり、コアクロックがベース3.6GHz・ブースト4.2GHzまで削減されています。
Zen 3 Ryzen PRO 5000G シリーズ ベンチマーク環境
今回Ryzen PRO 5000GデスクトップAPUをテストした主な環境は、マザーボードにASRock X570 Taichi Razer Edition、メモリに8GB×2 ZADAK SPARK DDR4-3600(CL17-19-19-39)、CPUクーラーに空冷式サイドフロー(DeepCoolのGAMMAXXシリーズに似ている、対応TDPは150W前後までと予想)、電源にAntec製のHCG-X1000となっています。
オーバークロック時のベンチマークはTDP350W対応の360mm簡易水冷CPUクーラーに取り替えて行っている模様。
Ryzen PRO 5000G シリーズデスクトップAPU ベンチマーク性能
Cinebenchのマルチスレッドテストでは、6コアのRyzen 5 5650Gが前モデルのRyzen 5 4650Gよりも18%高い性能を示し最も大きな性能ジャンプとなった一方で、フラグシップモデルの8コアRyzen 7 5750Gは前モデルのRyzen 7 4750Gよりも12%高いスコアという結果に。
4コアのRyzen 3 5350Gの性能向上は比較的おとなしめで、前モデルのRyzen 3 4350Gから平均で約10%のパフォーマンス向上に留まっています。(これでもすごいと個人的には思うが。)
Ryzen 5000Gシリーズ、コードネーム「Cezanne」のCPUにはZen 3アーキテクチャのコアが採用されており、前モデルのZen 2と比較すると平均で約20%のシングルスレッド性能向上がみられていますね。
このZen2からZen3にかけてのシングルスレッド性能の向上は、Zen3アーキテクチャによってメモリ周りの遅延が改善されたのが大きいと言われています。
CPU-Zや3DMark Fire Strike Extreme・Time Spyベンチマークでも同様の結果を残しました。
またRyzen 7 5750Gに関して言えば、予想通りではありますが同じアーキテクチャで同じコア数のRyzen 7 5800XにCPU性能では引けを取らない結果となっています。(5750Gはクロックが5800Xよりも低いので、オーバークロックを行い両者のクロックをそろえればほぼ同じパフォーマンスを見せると予測できますね。)
Ryzen PRO 5000G vs. 4000G シリーズの消費電力と温度比較
消費電力に関しては、Ryzen 7とRyzen 5は前モデルとほとんど変わっていませんが、Ryzen 3 5350GだけはZen2の前モデルよりも消費電力が若干多くなっているように見えます。
温度に関しては、それぞれのラインナップを前モデルと比較したときの差はそこまでないと現時点では思って良さそうです。
Ryzen PRO 5000G シリーズのゲーミング性能
実際のゲームにおけるパフォーマンに関しては、約2〜5%の性能向上が期待できます。
CSGO等の古めのゲームでは画質を落とせば十分に144fps以上で遊ぶことはできそうですが、レインボーシックスシージやForza Horizon 4等の比較的新しいゲームでは60fpsが現実的な限界だと思われます。
そのため、60Hz~75Hzまでのモニターしか使う予定がなく、グラフィックボードも載せたくなく、でもそこそこPCゲームでは遊びたいという方には最適なCPUに落ち着きそうです。
CPU性能は順当に高性能な6コア12スレッド、8コア16スレッドを備えているので、CPU性能を求めがちなクラフトシミュレーション系のゲームでもそこそこちゃんと動くような気がします。
(え?グラフィックボード載せるんですか?それなら素直にRyzen 7 5800XやIntel Core i7-11700でもどうぞ笑)
Ryzen 5000G デスクトップAPUはPCIe Gen3 までの対応
Ryzen5000GデスクトップAPUシリーズはPCIe Gen 3までの対応であり、PCIe 4.0はサポートしていないので、マザーボードもPCIe 3.0まで対応のA520やB550チップセットを採用しているモデルがコストパフォーマンス的にもオススメになってきます。(CPUのTDP的にも十分。)
通常モデルのRyzen 7 5700G やRyzen 5 5600Gは8月5日に発売される予定なので、2,3週間以内にはそちらの実際のベンチマーク結果なども出てくるのではないでしょうか。
それまで気長に待ちましょう。
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