本日、Geekbenchデータベースから初めてIntel第11世代Rocket Lake-SデスクトップCPUの8コア16スレッドES品のスペックデータが@TUM_APISAK氏によって発掘されました。
Rocket Lake-Sはモバイル第11世代 10nm Tiger Lakeの14nm版と思われていた
Intelの第11世代Rocket Lake-Sは現在最新の第10世代Comet Lake-SデスクトップCPUの後継に当たりますが、シリコンダイの製造プロセスはいまだに14nmとなっています。
ただし、Rocket Lakeのアーキテクチャはモバイル向けの10nm Tiger Lakeアーキテクチャを14nmにバックポートしたもの(簡単に言えば移植)ではと言われており、ようやく第6世代Skylakeベースのアーキテクチャから脱却する模様です。
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Rocket Lake-SのキャッシュはTiger LakeのWillow CoveではなくIce LakeのSunny Coveと一致
ここで今回のリーク情報を見てみましょう。
@TUM_APISAK氏は以下のようにツイートし、Geekbenchデータベースから8コア16スレッドモデルのRocket Lake-Sのエンジニアリングサンプルのデータを報告しています。
キャッシュに着目してRocket Lake-Sのスペックを見てみると、モバイル第11世代Tiger LakeのWillow Coveではなく、モバイル第10世代Ice LakeのSunny Coveと一致していることが分かります。
(モバイル第10世代はラインナップがややこしく、10nmプロセス採用のIce LakeモデルはCore i7-1065G7やCore i5-1035G4等の名前がついているものです。最大で4コア8スレッド。)
今までRocket Lake-SはWillow Coveのバックポートという説が有力でしたが、ここにきてRocket Lake-SはSunny Coveの14nmバックポート説を考えなければならないという状況になっています。
以下の表は未確定情報も含まれております。あらかじめご了承ください。
(L1とL2は各コアごとに用意されているので、画像ではx8という表記になっていますが、表中では省いています。)
Intel アーキテクチャ別 キャッシュサイズ | L1 命令キャッシュ | L1 データキャッシュ | L2 キャッシュ |
---|---|---|---|
第6世代~ Skylake | 32KB | 32KB | 256 KB |
モバイル第10世代 Ice Lake(Sunny Cove) | 32KB | 48 KB | 512 KB |
デスクトップ第11世代 Rocket Lake-S | 32KB | 48 KB | 512 KB |
モバイル第11世代 Tiger Lake(Willow Cove) | 32KB | 48 KB | 1.25 MB |
8コアRocket Lake-Sのベース・ブーストクロックは3DMarkの情報と一致
8コア16スレッドRocket Lake-SのES品データはGeekbenchからは初めてのリークでしたが、3DMarkにも先日ベンチマーク結果が掲載されていました。
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ベースクロック・ブーストクロックに関しては今回のGeekbenchと3DMarkのデータは一致しており、現状の8コア16スレッドES品はどちらもベース3.2GHz・ブースト4.3GHzという設定になっています。
内蔵GPUはXeグラフィックスでTiger Lakeの「Gen 12」と一致
CPUコアのキャッシュに関してはIce Lakeと一致していた一方で、内蔵GPUに関してはモバイル第11世代のTiger Lakeで採用されるであろうGen12というコードネームと一致しています。
Rocket Lake-SはXeグラフィックスを搭載した最初のデスクトップCPUであり、今回リークしたES品には32基の実行ユニット(Executtion Unit ≒ Compute Unit・演算ユニット)が搭載されている模様です。
Rocket Lake-Sの8コア16スレッドES品のXeグラフィックスはOpenCLベンチマークで6266ポイントを獲得していますが、現行の第10世代Core i7-10700Kの6360ポイントよりも低い結果となっています。
現状のチューニング状態では「Gen 12」XeグラフィックスはIntel UHD 630グラフィックスよりもパフォーマンスが低いという結果になってはいますが、これに関してはこれからいくらでも調整が可能だと思います。
Intel 第11世代 Rocket Lake-S デスクトップCPU とは
Intelの第11世代 Rocket Lake-S デスクトップCPUについての今までの基本スペックや仕様は以下の記事にまとめてありますので是非ご覧ください。
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第11世代Rocket Lake-SデスクトップCPUは、第10世代向けのLGA1200マザーボードと互換性があることはほぼ確定と言ってもよいでしょう。
マザーボードメーカーによってはRocket Lake-SのPCIe Gen 4対応を見据えて、Z490シリーズですでにハードウェアレベルでPCIe Gen 4への対応を謳った製品もリリースされているので、Comet Lake-SとRocket Lake-Sの両方とも購入の予定がある方はそのようなマザーボードにしておいておいた方が無難ですね。(まぁそもそも両世代とも買うような方達はマザーボードも色々買い直すと思いますが(白目)。)
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