現在、「Zen 3 Ryzen 4000シリーズはTSMCの5nmになる」というウワサと「Zen 4 Ryzen 5000はTSMCの7nmを維持する」という相反するウワサが流れています。
同時に、Zen 3を採用しているプロセッサに新しく「Warhol」というコードネームが出現してきているという混迷状態です。
そこで、これらの情報を総合的に解釈して、筆者ぽんたすの独自予想を展開していきたいと思います。
2020年6月16日更新情報:
Zen 3 Ryzen 4000 Vermeer デスクトップCPUは2021年発売に延期される?【Zen 3は7nm ではなく5nmになる可能性も】
Zen 3 Ryzen 4000はTSMC 5nm 説について
昨日、台湾のDigiTimesが
「AMDがCES 2021に間に合うようにTSMCの5nm+プロセスへの移行を計画しており、Zen 3 Ryzen 4000はTSMCの7nm EUV(N7+)ではなくTSMCの5nmを採用する」
と記事にしたことで、この疑わしいウワサが急上昇しました。
記事中で「5nm+を採用するために発売時期は2021年の1月にずれ込む」とありますが、現状の波に乗っているAMDが「N7PでZen 3 Ryzen 4000を今年後半発売する」というスケジュールからわざわざ遅らせるメリットがないように筆者は思えます。
また、すでにマザーボードメーカーにはZen 3 Ryzen 4000デスクトップCPUのES品としてTSMCのN7P(N7+ですらない)が提供されていると言われており、この段階から5nmプロセスの製品へ短期間で急転換するのはかなり厳しいと言われています。
ちなみに、TSMCの7nmプロセスはN7/N7P/N7+/N6の4種のオプションが存在しており、Zen 2に採用されているのがN7、現状でZen 3に採用されているだろうプロセスはN7Pとなっています。また、モバイル向けAPUの「Rembrandt」Zen 3 Ryzen 6000シリーズは、TSMCのN6を採用するとウワサされています。
TSMC N7P (N7改良版):
・N7と同じ電力で、7%のパフォーマンス向上
・N7と同じパフォーマンスで、10%の省電力化
TSMC N7+ (7nm EUV):
・N7と同じ電力で、10%のパフォーマンス向上
・N7と同じパフォーマンスで、15%の省電力化
TSMC N6(N7+改良版):
・N7と比較してロジック密度が18%向上
・N7+と異なり、N7やN7Pからの移植が可能
TSMC N5(5nm):
・N7と同じ電力で、15%のパフォーマンス向上
・N7と同じパフォーマンスで、30%の省電力化
TSMC N5P(N5改良版):
・N7と同じ電力で、 7%のパフォーマンス向上
・N5と同じパフォーマンスで、15%の省電力化
Zen 3 & 7nmプロセスの「Warhol」が急浮上
また、先ほどの@MebiuW氏はAMDのスライドらしきものもリークしていました。
(現在は削除された模様。)
「Warhol」は「Vermeer」(Zen 2 Ryzen 3000デスクトップCPU)の後継ですが、7nmのZen 3に基づいている模様です。
続く世代は「Raphael」であり、NaviベースのiGPUが搭載されるであろうことは分かりますが、Zen4なのか、5nmなのかどうかは見えません。(が、おそらく「Raphael」は5nm Zen 4です。)
ぽんたす独自予想:Warholは「Zen3+ Vermeer Refresh」的なもの
N7+にアーキテクチャを移行させるのはN5に移行させるよりは比較的簡単と言われているため、この「Warhol」がN7+を採用し、実質的な「Zen 3+ Ryzen 4000XT Vermeer Refreshシリーズ」のようなものとしてリリースされるのではないかと個人的には予想しています。
(今回「Matisse Refresh」としてZen 2 Ryzen 3000XTシリーズを急に出してきた感じでね。)
そして続く次世代の「Raphael」Zen 4 Ryzen 5000デスクトップCPUシリーズでTSMCの5nmプロセス採用となり、以前のロードマップ情報通りに戻っていくと予想しています。
つまり、コードネームが色々出てきてはいますが、ロードマップとしては矛盾がない状態になるのではないかと思っています。
関連記事:
【5nm ZEN4の情報も!】AMDがZEN3のRyzen/EPYCやZEN4など、2022年までの最新ロードマップを発表
実際のところは続報待ち
DigiTimesは情報屋としては老舗のようなもので、過去の実績もあり、信憑性も高いメディアとして知られています。
一方で、@MebiuW氏はDigiTimesのような過去の実績はありませんが、今回のAMDスライドや主張の論理性は真っ当なものです。
実際にはどちらのリークが本当なのか、ふたを開けてみるまでは分かりませんが、「シュレーディンガーのAMD」として楽しみに続報を待つことにしましょう。
ちなみに、「Warhol」の由来はアメリカの画家・芸術家のアンディー・ウォーホルだと思われます。
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