【Ryzen 9 3900XT / Ryzen 7 3800XT / Ryzen 5 3600XTが7月発売?】価格情報更新:AMDがIntel第10世代CPUに対抗してクロックアップ版の「Matisse Refresh」デスクトップCPUを準備中か【FCLK最大値も2000MHzに向上か】

CPU
Image Credit : OptoCrypto
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AMDがZen 2 Ryzen 3000デスクトップCPU「Matisse」をマイナーアップデートし、Zen 2 Ryzen 3000デスクトップCPU「Matisse Refresh」として新しくRyzen 9 3900XT / Ryzen 7 3800XT / Ryzen 5 3600XTの3つのモデルが準備・発売されるという情報が、本日Wccftechの情報筋から浮上してきました。

2020年6月16日更新情報:記事はこちら
Ryzen 3000XT「Matisse Refresh」デスクトップCPUは今年7月7日に発売されるとウワサされています。

2020年6月1日更新情報:記事はこちら
欧州のMaterial.netがRyzen 9 3900XT / Ryzen 7 3800XT / Ryzen 5 3600XTの予約価格をサイトに掲載し、Ryzen 3000XTシリーズの価格がリーク
筆者ぽんたすの価格予想も含め、当記事の表にも記載してあります。

2020年5月28日更新情報:記事はこちら
Ryzen 9 3900XTとRyzen 7 3800XTの3DMark Fire Strikeのベンチマークスコアがリークされました。
また、Ryzen 9 3900XTのシングルコアブーストクロックは最大4.7GHzになるのではないかという説が有力になっています。

2020年5月26日更新情報:
Ryzen 9 3900XT、Ryzen 7 3800XT、Ryzen 5 3600XTのブーストクロックとベースクロックの具体的な数値がリークされました。
それだけでなく、インターコネクトの動作クロック(FCLK)とメモリコントローラの動作クロック(UCLK)を1:1モードで動作できるFCLKの最大値も上昇するとの情報も出てきました。

AMD Zen 2 Ryzen 3000デスクトップCPUに「Matisse Refresh」が追加か

この新しい「Matisse Refresh」は、2019年に発売された「Matisse」デスクトップCPUと同様に7nmプロセスのZen 2が採用されていますが、Matisseよりも200 ~ 300MHz程度クロックが高くなるだろうと言われています。

少し前にはRyzen 7 3850XやRyzen 7 3750Xという名称の新CPUのウワサが流れましたが、Wccftechの情報筋によると以下の3つのSKUを「Matisse Refresh」として追加するというのが真実とのこと。

Image Credit : Wccftech

お分かりかと思いますが、Ryzen 9 3900XTはRyzen 9 3900Xの後継で12コア24スレッド、Ryzen 7 3800XTはRyzen 7 3800Xの後継で8コア16スレッド、Ryzen 5 3600XTはRyzen 5 3600Xの後継で6コア12スレッドのCPUです。

「Matisse Refresh」XTモデルはクロックとOC性能が強化

Matisse RefreshはMatisseのクロック強化版であり、それ以外のコアスレッド数などの基本スペックは変わらないと言われていますが、新しい「XT」モデルは現状の「X」モデルよりもクロックが高くなって速度が上がり、オーバークロック性能も強化されているとのこと。

XTモデルはCPUのブーストアルゴリズムに緻密な調整が加えられており、現状のXモデルと比較して5〜10%パフォーマンスが向上すると推測されています。

Zen 2 Ryzen 3000「Matisse Refresh」デスクトップCPUは、400シリーズや500シリーズのマザーボードに対応しています。(当たり前ですが。)

5月26日現在、具体的なベースクロックとブーストクロックの値がリークされており、以下の表に追記いたしました。

関連記事:
AMDが方向転換:B450とX470でZen 3 Ryzen 4000デスクトップCPU「Vermeer」に対応できるBIOSを配布予定か【Zen 2 Ryzen 4000G「Renoir」への対応は不明】

2020年6月1日更新情報:記事はこちら
欧州のMaterial.netがRyzen 9 3900XT / Ryzen 7 3800XT / Ryzen 5 3600XTの予約価格をサイトに掲載し、Ryzen 3000XTシリーズの価格がリーク

Material.netの予約販売は基本的に定価よりも若干高めに設定されているケースが多いため、ある程度割り引いて考える必要はありそうですが、日本国内での販売価格は以前筆者が予想した通りで変わらないと現状では考えています

筆者ぽんたすの価格予想も含め、以下の表に記載してあります。
本日の為替相場、1€≒119.75円として計算

CPUコア /
スレッド
ベース
クロック
ブースト
クロック
L3キャ
ッシュ
TDPMaterial.net
予約販売
税込価格
価格
税込み
Ryzen 9
3900XT
12 / 244.1 GHz?4.8GHz
4.7 GHz?
64 MB105W€499.9(?)
≒¥59,863
¥65,000前後?
ぽんたす予想
Ryzen 9
3900X
12 / 243.8 GHz4.6 GHz64 MB105W€514
相場価格変動
€529→€419
¥59,595
2020/5/23
Amazon価格
Ryzen 7
3800XT
8 / 164.2 GHz?4.7 GHz?32 MB105W€459(?)
≒¥54,965
¥51,000前後?
ぽんたす予想
Ryzen 7
3800X
8 / 163.9 GHz4.5 GHz32 MB105W€430
相場価格変動
€419→€319
¥47,200
2020/5/23
Amazon価格
Ryzen 5
3600XT
6 / 124.0 GHz?4.7 GHz?32 MB95W€319(?)
≒¥38,200
¥33000前後?
ぽんたす予想
Ryzen 5
3600X
6 / 123.8 GHz4.4 GHz32 MB95W€270
相場価格変動
€259→€159
¥29,978
2020/5/23
Amazon価格

1:1モード動作可能なメモリクロックが4000MHz以上になる?

5月26日現在、ベースクロックとブーストクロックが明らかになっただけではなく、「Matisse Refresh」Ryzen 3000XTシリーズはInfinity Fabricの高クロック耐性が向上し、メモリコントローラと1:1の周波数で動作させることができるメモリクロックが上昇しているという情報も出ている模様。
(Infinity Fabric:AMDのCPUのコアやいろいろなコントローラを繋げて制御するインターコネクトのようなもの。詳しくはこちら

今までのRyzen 9 3900XなどはFCLK(Infinity Fabric Clock Speed:Infinity Fabricの動作クロック)1800MHz前後が、メモリクロックと1:1で動作させることのできる限界でした。
(メモリクロックで言えば3600MHz前後、運よくCPUの個体が良ければ3800MHzまで上げられる模様)

しかし今回の情報によると、Ryzen 3000XTシリーズのFCLK最大値は2000MHzまで強化されているとのことで、これが本当ならば1:1モードで動作できるメモリクロックは4000MHz以上に達すると推測されます。
(DDRというのはDouble Data Rateのことで、クロック同期信号の立ち上がりと立ち下がりの両方を利用して信号を伝達できるため、SDRと比較して1クロックで実質2クロック分動作することができる。なので、1:1モード時にFCLKが2000MHzの場合は、DDR4-4000MHzということになる。一方で、それ以上メモリクロックを上げてしまうとFCLKがメモリに付いていけずに1:2モード、例えばDDR4-4400MHz時にFCLKは1100MHzとなり、実質的なCPU性能はあまり伸びないということになる。)

Infinity Fabricの性質上AMDのRyzen CPUはFCLK(≒メモリクロック)にCPUの処理性能が影響されやすいため、1:1モードで動作できるメモリクロックが上がることは実質的にCPUの性能を更に高めることになるはずです。

AMDは「Matisse Refresh」Ryzen 3000XTシリーズのCPUクロックと1:1モード適応メモリクロックのダブルの強化によって、Intel第10世代Comet Lake-Sに対して追撃を仕掛ける戦略のようですね。

「Matisse Refresh」はIntel第10世代デスクトップCPUへの対抗

AMDのMatisse Refresh:Ryzen 3000XTシリーズは、Intelの第10世代デスクトップCPUであるCore i9-10900KCore i7-10700KCore i5-10600Kと競合し、それらに対抗してリリースされる構図になります。

AMDはZen 2でまだ改善の余地を残しており、Zen 3 Ryzen 4000デスクトップCPUをリリースする前にZen 2のクロックアップ版である「Matisse Refresh」を隠し玉として発売することで、Intelが苦し紛れに更にクロックを上げて発売してきた第10世代Comet Lake-SデスクトップCPUを脅かす算段であることがうかがえます。

この「Matisse Refresh」のリリースに伴い、通常の「Matisse」Ryzen 3000シリーズCPUの価格帯は下げる模様です。(日本国内価格がどうなるかは不明です。)

この隠し玉である「Matisse Refresh」Ryzen 9 3900XTやRyzen 7 3800XT、Ryzen 5 3600XTが好評になった場合、値下げされるRyzen 3000シリーズや続くZen 3 Ryzen 4000デスクトップCPUの追撃も相まって、Intelの第10世代Comet Lake-SデスクトップCPUはより苦境に立たされることになりそうな予感がします。

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AMD Zen 2 Ryzen 3000「Mattise Refresh」発売日

現状では、AMDはRyzen 3000「Matisse Refresh」デスクトップCPUを6月16日に公式発表し、7月7日に発売すると噂されています。

AMDのRyzen 3000「Matisse Refresh」シリーズとRyzen 4000G「Renoir」デスクトップAPUはどちらも「Zen 2」であり、どちらも6月に公式発表される予定とウワサされています。

関連記事:
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AMD Ryzen 3000XTシリーズ価格予想

また、EUの小売業者からのAMD Ryzen 3000XTシリーズ「Matisse Refresh」の価格情報もwccftechによってリークされています。

それによると、税込みでRyzen 9 3900XTは約545ユーロ、Ryzen 7 3800XTは約435ユーロ、Ryzen 5 3600XTは約217ユーロと予想されており、税抜きの定価はもう少し低くなるとのこと。

また「Matisse Refresh」Ryzen 3000XTシリーズの価格は、基本的には既存のRyzen 3000シリーズのCPUラインナップと同じ価格で置き換えると言われており、XTシリーズのリリーに合わせて既存のラインナップはAMD公式に値下げされると言われています。

これを踏まえると、日本国内における初動価格は税込みでRyzen 9 3900XTが65,000円前後、Ryzen 7 3800XTが51,000円前後、Ryzen 5 3600XTが33,000円前後になるのではないでしょうか。

日本の代理店のことを考えると、現在の実売価格に合わせてくるのではなく、各対応CPUの初動価格に合わせてくると個人的には予想しています。

価格に関しては、先ほどの表の中に記載してあります。

もしAMDがRyzen 9 3900XTとRyzen 7 4700Gを同時に発表・発売するならば、Ryzenを1つ上のレベルに引き上げてくれた「Zen 2」に有終美を飾り、Zen 3「Vermeer」やZen 4に上手くバトンタッチしていくためにAMDが一切手を抜いていないことが伺えますね。


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コメント

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    • ふむふむ より:

      あるいは、フェルマー,ルノワールを5nmで開発する場合のプランとして用意したり、zen3やルノワールを2020年度末等へ延期する必要がある場合に備えたりしていたのかもしれませんね。

      • ぽんたす より:

        確かに、それはあり得ますね。
        ちょうど本日Ryzen 4000はTSMCの7nmではなく5nmを採用するというウワサがDigiTimesから出てきたことを考えると、あながちあり得ない話ではないですね。

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