ついに日本でもIntel第10世代Comet Lake-SデスクトップCPUの予約販売が開始されましたね。
現状、筆者はツクモネットショップにてCore i9-10900Kを見つけられています。
先程Core i9-10900Kの予約は完売したみたいです。Core i7-10700Kはまだ受け付けているみたいですね。予約はこちら。Core i7-10700Kも完売しています。
そのCore i9-10900Kですが、WeiboのWolfstame氏がストレステストを行っており、Core i9-10900Kの消費電力の高さと発熱の多さが分かる結果となりました。
Intel Core i9-10900Kは10900Fよりも平均18℃高温
Weibo氏はAIDA64 FPUストレステストを用いてCore i9-10900Kの消費電力と発熱を測定しています。
その結果、240mmラジエータの簡易水冷で冷却している場合、Core i9-10900Kは100%負荷時に235Wの電力を消費し、CPU温度はピークで93℃、平均で87℃で稼働していました。
低クロック&内蔵GPU非搭載モデルのCore i9-10900Fを以前同様の環境下テストした際、224Wの電力を消費し、最高で92℃、平均で69℃のCPU温度であったことと比較すると、Core i9-10900Kは10900Fより18℃も平均温度が高いことが分かります。
Core i9-10900Kは10900Fよりもクロックが高いため、高負荷時にはより多くの電力を消費し、より高温になることは当然ではありますね。
240mm簡易水冷でTVB:Thermal Velocity Boostは不可能
このテストにおいてCore i9-10900Kは全コア4.8 GHzで動作していましたが、このクロックはThermal Velocity Boostが有効になっていないときの全コアブーストクロックのピークと一致しています。
Thermal Velocity Boostを効かせるためにはCPUが70℃未満である必要があるため、今回のテストではTVBを効かせることができなかったことが分かります。
今回の結果から、ラジエーターサイズが240mmの簡易水冷CPUクーラーでCore i9-10900KにTVBを効かせて全コア4.9GHzやシングルコア5.3GHzまでブーストするのは不可能といっても過言ではないと思います。
Core i9-10900Kをしっかり運用するならば、最低でも360mmラジエータ簡易水冷CPUクーラーや(しっかりと流量やラジエータサイズ等を確保した)本格水冷などの冷却システムが必要になってくることは避けされないでしょう。
オーバークロック好き、当たり石狙いはCore i9-10900K一択か
Core i9-10900K / KFは、MSIの独自の調べにより、いわゆる「当たり石」と言われるAランク以上のダイが他のCPUよりも多く使われていることが判明しています。
Core i9-10900K / KFは、全10コアに約1.35Vの電圧をかけて5.2GHzまでクロックを上げると消費電力は250Wに達しますが、8コアのCore i7-10700Kよりも低い消費電力と低い電圧で同じ5.2GHzまで上げられていることが分かります。
Intel第10世代CPUで「当たり石」を狙いに行く場合は、ほぼCore i9-10900K一択という実情になると思われます。
Core i9-10900K & Core i9-10900(F)にオススメなCPUクーラー
Core i9-10900Kをフル活用するなら360mm簡易水冷!
Core i9-10900Kと合わせるCPUクーラーのオススメは、最近リニューアルされて冷却性能が若干向上し、水冷ヘッドに液晶パネルが搭載されたNZXTのKRAKEN Z73です。
Corsair好きの方には、鉄板のH150i pro RGBもおすすめです。
CorsairとNZXTは他メーカーの簡易水冷CPUクーラーよりも組み立てが簡単なので、初心者にもオススメできます。
空冷CPUクーラーの場合はできるだけ大型を推奨
どうしても10コアCore i9-10900Kを空冷CPUクーラーで使いたい方には、Noctuaのハイエンド空冷NH-D15がオススメです。
ただし、ケースの幅(CPUクーラーの高さの許容範囲)に気を付けてください。
170mm以上という表記があれば入らないということは無いと思います。
最近はD15の黒色モデルが出て来ており、価格は高くなりますがNoctuaカラーが苦手な方にはそちらがオススメです。
また、見た目がスタイリッシュながら冷却性能もかなり強いCRYORIGのR1シリーズもオススメです。(個人的には見た目が一番好きなメーカーです。)
Ultimateのメモリ側のファンを薄型にしたUniversalというモデルもあるので、メモリとの物理的干渉が気になる方はそちらが良いでしょう。
CPUクーラーに限界があるなら10900(F)が無難
そもそもの話としては、240mm~280mm以下の簡易水冷や、空冷CPUクーラーに収めなければならない場合は、無難にCore i9-10900(F)を選択することをオススメします。
Core i9-10900(F)の消費電力は最大224W前後なので、選べるCPUクーラーの幅も広がってきます。
12cmファンの中では最強の冷却性能を持つNH-U12Aなども回転数を抑えたまま運用できるのではないでしょうか。
NoctuaのNH-U12Aに関しては、回転数を上げるとNH-D15と同等の冷却性能を見せてくれます。
その分ファンの回転による騒音も多少うるさくはなりますが、12cmファンの空冷CPUクーラーを選びたい方はNH-U12A一択になると思います。
U12Aに唯一改善してほしい点は、ファンとヒートシンクの留め金が若干弱いところで、大きな振動を与えるとファンが取れてしまうという事件が起こる可能性があるのでご注意ください。
10コアCore i9にはSCYTHEの無限 五は冷却性能が足りないと思われ、忍者 五はサイズが大きすぎて扱える環境を選びますので、コスト的には安くて魅力的ですが、大々的にオススメはしないでおこうと思います。
実際、無限 五は150W前後、忍者 五は170W前後くらいが限界みたいです。
冷却性能向上のためにグリスを塗り替えよう
最近のCPUクーラーは最初からグリスが塗られていたり、グリスが付属していたりします。
一般的にはそれでほとんど問題は無いのですが、今回の10コアCore i9を運用するとなると別途質のいいグリスを塗りなおすことをオススメします。
別売りの質の良いグリスを使うと、CPU温度も数℃下がりますし、グリス自体の寿命も長くなりメンテナンス性が向上します。
冷却性能重視の方はThermal GrizzlyのKryonautやHydronaut、塗りやすさや寿命重視の方はMX-4がかなりおすすめです。
ちなみに、指サックが付属しているものは基本中国産の偽物なのでご注意ください。
良い製品を作ってくださっているメーカーを応援するためにも、正規品を買いましょう。
Thermal Grizzlyの正規代理店は「親和産業」と「アイネックス」、MX-4の正規代理店は「ザワード」です。
Intel Core i9-10900K 基本スペック
Intel Core i9-10900Kは、Intel第10世代Comet Lake-SデスクトップCPUの最上位・フラグシップモデルで、前世代のCore i9-9900KやKSよりも2コア4スレッド増加し10コア20スレッドとなりました。
キャッシュは合計20MB、TDPは125Wで、ベースクロックは3.7 GHz、シングルブーストクロックは5.1 GHz、オールコアブーストクロックは4.8GHzになっています。
ただし、IntelのTurbo Boost Max 3.0テクノロジーを利用すれば、シングルコアで最大5.2 GHzまでブーストすることができます。
さらにThermal Velocity Boostが効かせられれば、シングルコアで5.3GHz、全コアで4.9GHzでの動作を可能にしますが、TVBを効かせるには前述のとおりCPUの冷却が十分でなければなりません。
Intel Core i9-10900Kのスペックを簡単にまとめると以下の通りです。
- 10コア20スレッドCPU
- デフォルトでシングル最大5.1GHz、全コア最大4.8GHzのブースト
- Intel Turbo Boost Max 3.0有効でシングル最大5.2GHz
- Thermal Velocity Boost有効でシングル最大5.3GHz、全コア最大4.9GHz
- 定格で最大DDR4-2933MHzのメモリ対応
- CPUとメモリのオーバークロック機能が強化
詳しくはこちらの記事でIntel第10世代Comet Lake-SデスクトップCPUについて取り上げておりますので是非ご覧ください。
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