先日、99ドルの4コア8スレッドCPU、AMD Zen 2 Ryzen 3 3100の最新ベンチマークスコアが@TUM_APISAK氏のツイートによってリークされました。
ベンチマークは3DMarkのTime SpyとFirestrikeで行われており、Ryzen 3 3100の対抗馬となる4コア8スレッドで122ドルのIntel第10世代Comet Lake-S Core i3-10100のスコアと比較すると、Ryzen 3 3100はオーバークロックが可能なことから性能と価格の両方でIntel Core i3-10100を圧倒する結果になりました。
Ryzen 3 3300Xに関してはこちら:
【3300Xは4コア8スレッド最強のCPU?】AMD Ryzen 3 3300XとRyzen 3 3100のベンチスコアがリーク!【Intel Core i3-10300やCore i7-7700Kと比較】
Ryzen 3 3100もCore i3-10100も4コア8スレッド化
AMD Ryzen 3 3100とIntel Core i3-10100はエントリー向けで競合・対抗し合うCPUであり、どちらもSMTやHTが有効になり4コア8スレッドに進化。
(SMT:Simultaneous Multithreadingの略、1コアに複数のスレッドを立てること。 / HT:IntelのSMT、正式にはHTT(Hyper-Threading Technology)。)
SMT/HTが無効であった前世代までの4コア4スレッドCPUより性能もコストパフォーマンスも優れており、10万円以下等の低予算でゲーミングPC等を組みたいユーザー向けのCPUになっています。
Ryzen 3 3100 & Core i3-10100仕様・スペック
AMD Zen 2 Ryzen 3 3100
Ryzen 3 3100は、7nmプロセスZEN 2アーキテクチャ採用の4コア8スレッドCPUとなっており、ベースクロックは3.6 GHz、ブーストクロックは最大3.9 GHzで、合計18MBのキャッシュを有しています。
TDPは65Wという低さで扱いやすく、小型PCを組むのにも向いていますね。
Ryzen 3 3100は破格の99 USドルという価格になっています。
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Intel第10世代Comet Lake-S Core i3-10100
AMD Ryzen 3 3100と競合するIntel Core i3-10100は、14nmプロセスComet Lakeアーキテクチャ採用の4コア8スレッドCPUであり、ベースクロックは3.6 GHz、ブーストクロックは最大4.3 GHz / 4.1 GHz(オールコア)で、6MBのスマートキャッシュを有しています。
TDPは同じく65Wとなっており、価格は122 USドル前後になると言われています。
(Skylakeからの14nmシリコンダイCPUのアーキテクチャは本質的にほとんど変わっておらず、Comet LakeアーキテクチャもSkylakeと本質的には変わりません。)
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99ドルのAMD Ryzen 3 3100が122ドルのIntel Core i3-10100を上回る!?
AMD Ryzen 3 3100 vs. Intel Core i3-10100:3DMark Fire Strike スコア比較
まずは3DMark Fire Strikeのベンチマークスコアを見ていきましょう。
AMD Ryzen 3 3100のPhysics Scoreは、定格で13,339ポイント、全コア4.4GHzOC時で14,999ポイントとなっています。
一方でIntel Core i3-10100のPhysics Scoreは、定格で11,862ポイント、全コア平均4.2GHzブースト時で13,189ポイントとなっています。(あれ?全コア4.1GHzまでのはずでは…?)
(Physics Score:物理スコア、CPU性能の指標になるスコア)
この3DMark Fire Strikeのスコアを比較すると、定格のRyzen 3 3100は定格のCore i3-10100より約12%、(おそらく後述するBFBで底上げした)全コア4.2GHzブースト維持のCore i3-10100より約1%高パフォーマンスということになります。
そして、全コア4.4GHzオーバークロック時のRyzen 3 3100は、定格のCore i3-10100より約26%、4.2GHzブーストのCore i3-10100より約13%高性能という結果になりました。
今回注意すべきは、Intel Core i3はオーバークロック非対応のため、ベンチマークを実行した人がASRockのBFBテクノロジーを使用してCore i3-10100の電力制限を解除し、高いクロック速度で無理やり走らせた可能性があるということです。
ASRockのBFB:Base Frequency Boostテクノロジーとは、CPUへの電流リミットをある程度解除することで、あたかもベースクロックのようにブーストクロックを維持しやすくし、定格と定められているクロック(ベースクロック~最大ブーストクロック)の中でCPUの性能に下駄をはかせるような機能です。
かなり魅力的ですが、Intelの規則的にグレーな機能で自作PC界隈では物議をかもしており、Intelからの指導により今後のBIOSアップデートによっては無くなってしまう可能性もあります。
今回はBFBテクノロジーを搭載したASRockのマザーボード「Z490 Taichi」を使用してIntel Core i3-10100がベンチマークされているため、スコアがある程度高く出ている可能性があるということです。
AMD Ryzen 3 3100 vs. Intel Core i3-10100:3DMark Time Spy スコア比較
次に3DMark Time Spyのベンチマークスコアを見ていきます。
AMD Ryzen 3 3100のCPUスコアは、定格で4,726ポイント、全コア4.4GHzOC時で5,293ポイントになっており、対するIntel Core i3-10100のCPUスコアは、定格で4,882ポイント、4.2GHzブーストで5,213ポイントとなっています。
Time Spyのベンチマークスコアを比較すると、Fire Strikeと同様にオーバークロック時のAMD Ryzen 3 3100が最も高速であることが分かりますね。
定格ではCore i3-10100のスコアがRyzen 3 3100よりも約3%ほど優れていますが、Ryzen 3 3100が容易にオーバークロックすることができるという利点を無視することはできません。
AMDは消費電力も少なく価格も安い
AMDのRyzen 3 3100は、7nmプロセスのZen 2アーキテクチャを採用しているため14nmのIntelと比べて消費電力が少なく、Intel CPUより低い温度で稼働させることができると思われます。
また、Ryzen 3 3100は価格に関してもIntelのCore i3-10100より約20〜25 USドル安価になっており、CPUクーラーにも比較的コストがかかりません。
AMD Ryzen 3の注意点の一つは別途グラフィックボードが必要なことですが、ゲーミングPCを組む用途であればもともとグラボを搭載するはずなで、ゲーミングPCの場合にはデメリットにはなりづらいと思われます。
ゲーミング性能に関してはIntelが有利と言われていますが、大抵は同じコア/スレッド数においてIntelの方がクロックが高くシングル性能が高いのが大きな理由であり、AMDのRyzen 3が簡単にオーバークロックできることを考えると、ゲーミング性能でも差はほとんどないか、Ryzen 3の方がクロックもIPCも高く有利になるのではないかと筆者は予想しています。
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