Intel第10世代Comet Lake-SデスクトップCPUの10コア20スレッドのフラグシップモデル、Core i9-10900Kのレビューが、公式のレビュー解禁前にTecLabによってリークされました。
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Intel Core i9-10900K vs. AMD Ryzen 9 3950X / Ryzen 9 3900X 比較
今回ベンチマークに使用されたIntel Core i9-10900Kは製品版のもので、事前にIntel側で厳選してレビュワーに送るような「当たり確定石」ではないとのことです。
今回のベンチマーク結果の要約
- Intel Core i9-10900Kの消費電力と温度はかなり高く(最大338W)、フル活用するには360mmラジエータの簡易水冷以上の冷却システムが必要。
- Adobe系のソフトの動作はAMD Ryzenもかなり良くなったが、Core i9-10900Kがさらにシングル性能を上げたこと、10コアになったことにより再びIntel有利、Core i9-10900Kに軍配。
- ゲームプレイにおいては、予想通りシングルスレッド性能をさらに上げてきたCore i9-10900Kが最強。
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ベンチマークテスト環境
IntelのCore i9-10900Kでは対応のZ490マザーボードが使用されていますが、具体的にどのマザーボードを使用したかは不明です。
AMDではMSIのMEG X570 GODLIKEを使用しています。
CPUクーラーはEKWBの360mmラジエーター簡易水冷を採用。
グラフィックボードはボトルネックを防ぐため、GALAX HOF RTX 2080 Tiが使われています。
以下の画像内のAMD X570でのメモリの仕様は、正しくは「DDR4-3600MHz CL18-22-22-42-1T FCLK=1800MHz」とのこと。
今回のベンチマークに使われているメモリに関して、IntelのCore i9-10900Kでは4000MHz CL18、AMDのRyzen 9 3900X / 3950Xでは3600MHz CL18となっており、メモリのクロック上昇による性能向上の効果を受けやすいAMDに対しては若干不利な構成になっていると個人的には思います。
(個人的に、Intelで4000MHz CL18でやるなら、AMDでは1:1モード動作の限界と言われている3800MHzのCL14~CL16あたりで検証してほしかった感はあります。まぁ微々たるもののはずなので気にしないことにしましょう。)
Cinebench R15 / R20 マルチコアスコア
さて、ここからはベンチマークの結果を簡単に見ていきましょう。
Cinebench R15やR20におけるマルチスコアは、12コア24スレッドのRyzen 9 3900Xや16コア32スレッドのRyzen 9 3950Xにしてコアスレッド数で劣るIntel Core i9-10900Kは不利な結果になっています。
シングルスコアではシングルスレッド性能が高いCore i9-10900Kが有利だと思います。
PugetBench for Photoshop / After Effects
PugetBench for PhotoshopやPugetBench for After Effectsは、PhotoshopやAfter Effectsにおける実行性能・パフォーマンスを測定することができるベンチマークソフトです。
前世代のIntel Core i9-9900Kに対してはシングルスレッド性能の向上とコアスレッド数の差を活かして若干上回る性能を示していたRyzen 9 3900XやRyzen 9 3950Xですが、第10世代のCore i9-10900Kが10コア20スレッドになったことによって10900Kがまた頭一つ抜けるという結果になっています。
ただし、Adobe系のソフトは去年の情報では6コア以上のCPUを使ってもマルチコア性能は頭打ちするという情報があり、今回のこのスコアの差は単純にシングルスレッド性能の差が開いたという構図なのかもしれません。
この辺りはソフト側の最適化によって将来的にはAMDのRyzen 9の方が性能が出せるようになるかもしれませんが、今のところはやはりIntel有利ですね。
3DMark Fire Strike Extreme / Time Spy Extreme
3DMarkはゲームにおける実行性能に近いパフォーマンスを測定できるベンチマークです。
Fire Strike Extremeの描画解像度はWQHD(2560×1440)、Time Spy Extremeの描画解像度は4K(3840×2160)です。
この辺りを念入りに見るよりは実際のゲームでのパフォーマンスを見たほうがよほど有用だと思いますので、サクッと次に移ります。
実際のゲームにおけるフレームレート比較
気になる実際のゲームでのフレームレートの比較を見ていきましょう。
今回の測定では、CPUでの差が見えやすく、実用上も有用なWQHD解像度で行われています。
表記されているFPS値は平均フレームレートです。
実際のゲームでの動作においては、やはりIntelの得意分野ということもありCore i9-10900Kがおおむね最も良い結果となっています。
ただし、Core i9-10900KはRyzen 9 3950Xより平均で3.3%、Ryzen 9 3900Xより平均で4.1%フレームレートが高いという僅差です。
どのCPUを使ってもゲーム内の画質設定次第ではWQHDで144fps張り付きや、フルHDで240fps、4Kで60fps張り付きができそうな性能になっていると思いますので、後述するCPU温度や消費電力との兼ね合いでRyzen 9を選ぶというのはアリではありますね。
Far Cry 5(ファークライ 5)
Grand Theft Auto V (グランドセフトオート 5 / GTA 5)
Assassin’s Creed Odyssey(アサシンクリード オデッセイ)
Metro Exodus(メトロ エクソダス)
Tomb Raider 9(トゥームレイダー 9)
Borderlands 3(ボーダーランズ 3)
消費電力とCPU温度
Core i9-10900Kはこれまで見てきたようにかなりの高パフォーマンスを見せるCPUになっています。
しかし、14nmプロセスのまま無理やり性能を上げたため、Core i9-10900Kは消費電力が非常に大きく、CPU温度がかなり高くなります。
Core i9-10900Kの消費電力はピーク時に338Wとなり、CPU温度は360mm簡易水冷で平均80℃になっています。
一方で、Ryzen 9 3900Xや3950Xの消費電力ピークはそれぞれ263Wと306Wとなっており、16コアのRyzen 9 3950Xや12コアのRyzen 9 3900Xの方が、10コアのCore i9-10900Kよりも消費電力が低く、ワットパフォーマンスが良いという結果になっています。
現状Core i9-10900Kを購入できるのはFrontierのBTOのみか
現状、ツクモでもドスパラでもCore i9-10900KやCore i7-10700Kは予約売り切れの状態であり、今後いつ在庫が復帰するのかはかなり不透明な状態です。(Core i5-10400はまだある模様。)
筆者が唯一見つけられているCore i9-10900Kの入手方法は、BTOパソコン専門店のFrontierが販売するBTOパソコンでの組み込みのみです。
筆者オススメBTOパソコンショップ「Frontier」
Frontierは筆者自身が初めてBTOパソコンを購入したサイトであり、高いコストパフォーマンスや柔軟なパーツ選定ができる優良BTOパソコンショップです。
ただし今回は見た限り、現状用意されているCore i9-10900K搭載BTOパソコンはCPUクーラーをカスタマイズしても最高で240mm簡易水冷までしか見当たらず、カスタマイズ内のサイドフロー空冷はほぼ論外と言っていいほど冷却性能が足りないので、CPUクーラーだけは必ずカスタマイズして最上位の240mm簡易水冷にしておきましょう。
できればCPUグリスも、カスタマイズでThermal GrizzlyのKryonautにしておいた方がいいです。
元々生産効率の良くないCore i9-10900KやCore i7-10700Kの在庫がいつ復活してくるか全く予想がつかないので、お求めの方は早めの注文をオススメします。
Core i9-10900KにオススメなCPUクーラー
IntelのCore i9-10900KにおすすめなCPUクーラーは以下の記事で取り上げておりますので、ぜひご覧ください。
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