ここ最近になって次々にリーク情報が出て来ているAMDの「Renoir」Zen 2 Ryzen 4000デスクトップCPU(APU)ですが、今回はVideoCardzによってRyzen 7 4700Gの写真がリークされました。
この写真のRyzen 7 4700Gは製品の最終盤であり、AMD Ryzen 4000シリーズ「Renoir」デスクトップAPUが発売されるのはそう遠くないはずとのことです。
Ryzen 4000「G」デスクトップAPUについて
今回のRyzen 4000番台デスクトップCPUの「G」付きAPUは、もともとノートPC向けにリリースされたZen 2 Ryzen 4000モバイルAPU:コードネーム「Renoir」をデスクトップ向けに製品化したものです。
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Ryzen 4000デスクトップAPUは、TSMCの7nm FinFETプロセスノードを採用したZen 2アーキテクチャのCPUと、7nmに進化したVegaグラフィックスのGPUを併せ持ちます。
前世代のZen+ Ryzen 3000デスクトップAPUシリーズと比較すると、コア数の増加、CPUクロックの上昇、iGPUクロックの向上、定格最大3200MHzまでのDDR4メモリ対応などが大きな改善になります。
Ryzen 4000デスクトップCPUのラインナップには入りますが、アーキテクチャはZen 3ではなくZen 2であることには注意してください。
PCIe gen 4.0への対応はまだ不明ですが、おそらく対応すると思われます。
ソケットはAM4のままですが、X470やB450以下のマザーボードがBIOSアップデートによってRyzen 4000 APUに対応できるのかは厳密にはまだわかりません。
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Ryzen 7 4700Gのリークスペック
Ryzen 7 4700Gはやはり8コア16スレッドか
写真のRyzen 7 4700Gには「100-000000146」というOPN(Ordering Part Number:発注用製品型番)が刻印されています。
このOPNを以前のリーク情報と照らし合わせると、Ryzen 7 4700GのCPU部分は8コア16スレッドでベース3.6GHz・ブースト4.45GHzのクロック、7nm Vega GPU部分は8CUで2.1GHz (2100MHz)のクロックになっており、L2キャッシュは4MB・L3キャッシュは8MBであることが分かります。
前世代デスクトップAPUの最上位であるAMD Ryzen 5 3400Gが4コア8スレッドであったことを考えると、2倍の8コア16スレッドになるというのはかなりの進化ですね。
Ryzen 7 4700Gの7nm Vega GPUについて
Ryzen 7 4700Gには、7nmに微細化したVega GPUが8CU(コンピューティングユニット)搭載され、SP(ストリームプロセッサ)は512基になると言われています。
Ryzen 5 3400Gの11CUよりも3基少ないCU数になっていますが、Ryzen 5 3400GのiGPUは最大クロック1400MHzであり、Ryzen 7 4700GのiGPUは最大2100MHzまでクロックが上がります。
Vegaが7nmになりクロックを上げられるようになったため、3CU少ない8CUでも前世代のiGPUより高い処理性能になる模様です。
Ryzen 7 4700GのTDPについて
AMDは従来通り、「G」シリーズはTDP 65Wでリリースする予定とのことで、Ryzen 7 4700GもTDP 65Wで製品化されると思われます。
また、パフォーマンスよりもエネルギー効率を優先したTDP 35Wの「GE」シリーズのRyzen 4000デスクトップAPUを展開する可能性もあるとのことです。
Ryzen 7 4700Gの価格と発売時期
Ryzen 7 4700Gの価格はUS価格で200~250ドルと言われています。
発売時期に関しては、以前のリークでは今年7月前後にリリースされるのではないかというウワサがあります。
どちらにせよ、今年中に発売されることはほぼ確実とみても良いのではないでしょうか。
AMD Ryzen 7 4700G 対 Intel Core i7-10700 という構図か
AMDの競合となるIntelのCPUを見ると、Intel Core i7-10700は8コア16スレッドでTDP 65W、内蔵GPUはIntel UHD Graphics 630となっており、Ryzen 7 4700Gとガッチリ対決することになりそうです。
Intel 第10世代 Comet Lake-SのCore i7-10700は、ベースクロック2.9GHz・ブーストクロック4.8GHzで、16MBのスマートキャッシュを有するCPU(APU)です。
Core i7-10700のiGPUであるIntel UHDグラフィックス630は、24EU(実行ユニット)で最大クロック1200MHzとなっており、192基のシェーダーに相当します。
Core i7-10700の定価は323 USドルで、現状329 USドルのAMD Ryzen 7 3700Xと競合していますが、Ryzen 7 4700Gの価格は前述のとおり200〜250 USドルと言われているので、Intelにはかなり厳しい戦いになりそうですね。
AMD Ryzen 4000「G」デスクトップAPUラインナップ
リークによれば、Renoir Ryzen 4000デスクトップAPUのTDP 65Wのラインナップには、8コア16スレッド・6コア12スレッド・4コア8スレッドのCPUが存在しています。
もしかすると、従来のデスクトップAPUとは異なり、Ryzen 7 4700Gで推測できるようにAPUでもRyzen 7は8コア、Ryzen 5は6コア(Ryzen 5 4400G?)、Ryzen 3は4コア(Ryzen 3 4200G?)というように、コア/スレッド数がAPU以外のCPUと揃うのかもしれません。
※あくまでもリークスペックであり、確定情報ではないのでご注意ください。
OPN | コア / スレッド | ベース / ブースト クロック (GHz) | L2 (MB) | L3 (MB) | CU数 | GPUクロック (MHz) | TDP (W) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
100-000000145 | 8 / 16 | 3.60 / 4.45 | 4 | 8 | 8 | 2,100 | 65 |
100-000000146 | 8 / 16 | 3.60 / 4.45 | 4 | 8 | 8 | 2,100 | 65 |
100-000000143 | 6 / 12 | 3.70 / 4.30 | 3 | 8 | 7 | 1,900 | 65 |
100-000000147 | 6 / 12 | 3.70 / 4.30 | 3 | 8 | 7 | 1,900 | 65 |
100-000000144 | 4 / 8 | 3.80 / 4.10 | 2 | 4 | 6 | 1,700 | 65 |
100-000000148 | 4 / 8 | 3.80 / 4.10 | 2 | 4 | 6 | 1,700 | 65 |
AMD Ryzen 4000「GE」デスクトップAPUラインナップ?
今回「GE」シリーズがあるとすれば、従来通り「G」シリーズAPUよりも消費電力が少ないTDP 35Wで構成されていると言われています。
リークによれば、Ryzen 4000「GE」シリーズ(?)は「G」シリーズとコア数やキャッシュは同じになっていますが、CPUとGPUのクロックが低めになっています。
その分TDPは35Wとかなり省電力のAPUになっているので、超小型PCにはかなりうってつけのCPUになるかもしれません。
※あくまでもリークスペックであり、確定情報ではないのでご注意ください。
OPN | コア / スレッド | ベース / ブースト クロック (GHz) | L2 (MB) | L3 (MB) | CU数 | GPUクロック (MHz) | TDP (W) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
100-000000149 | 8 / 16 | 3.10 / 4.35 | 4 | 8 | 8 | 2,000 | 35 |
100-000000152 | 8 / 16 | 3.10 / 4.35 | 4 | 8 | 8 | 2,000 | 35 |
100-000000150 | 6 / 12 | 3.30 / 4.25 | 3 | 8 | 7 | 1,900 | 35 |
100-000000153 | 6 / 12 | 3.30 / 4.25 | 3 | 8 | 7 | 1,900 | 35 |
100-000000151 | 4 / 8 | 3.50 / 4.10 | 2 | 4 | 6 | 1,700 | 35 |
100-000000154 | 4 / 8 | 3.50 / 4.10 | 2 | 4 | 6 | 1,700 | 35 |
本当に今年7月前後にRyzen 4000デスクトップCPUが出そろえばかなりアツイ展開であるのと同時に、Intelがどのように対抗してくるかも面白くなってくると思います。
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