Intel第12世代CPU「AlderLake-S」のフラグシップモデルであるIntel Core i9-12900KとそのCPUに対応したLGA1700ソケットを持つマザーボードのサンプルが闇市場に出回っており、案の定ベンチマークスコアもリークされていた模様です。
@OneRaichu氏がツイートしたベンチマーク結果によれば、現状AMDが有利とされてきたCinebench R20において、Intel Core i9-12900KがAMDのフラグシップモデルであるRyzen 9 5950Xを大きく上回っているとのこと。
Core i9-12900K 仕様/スペック
Intel Core i9-12900KはIntel第12世代デスクトップCPU、コードネーム「AlderLake-S」のフラッグシップモデルであり、8つのGolden Coveコア(高性能コア=Pコア)と8つのGracemontコア(高効率コア=Eコア)を搭載し、合計で16コア(8+8)24スレッド(16+8)になります。
Pコア(Golden Cove)はアクティブコアが1~2個のときは最大5.3GHzまでブーストでき、全コア負荷時でも5.0GHzの周波数まで全てのコアをブーストすることができます。
Eコア(Gracemont)はアクティブコアが1~4個のときは最大3.90GHzまでブーストでき、全コアアクティブ時には最大で3.7GHzブーストとなります。
また、このCore i9-12900Kは30MBのL3キャッシュを備え、現状でTDPは125W(PL1)と228W(PL2)に設定されています。(tau値に関しては現状不明?)
PL1、PL2って何ぞや?という方には以下の記事が参考になると思います。
関連記事:【MSIはB460で常時最大255Wのブースト!?】比較:ASUS/ASRock/MSIのH470/B460/H410マザーボードでのIntel第10世代「K無し」CPU向け電力リミット引き上げ機能!
Intel第12世代の現状判明しているラインナップの仕様、スペックは以下の通りです。
CPU | P コア | E コア | コア / スレッド | Pコア ベース / 最大 | Pコア 全コア ブースト | Eコア ベース / 最大 | Eコア 全コア ブースト | キャッシュ | TDP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i9- 12900K | 8 | 8 | 16 / 24 | 不明 / 5.3 GHz | 5.0 GHz | 不明 / 3.9 GHz | 3.7 GHz | 30 MB | 125W (PL1) 228W (PL2) |
Core i7- 12700K | 8 | 4 | 16 / 20 | 不明 / 5.0 GHz | 4.7 GHz | 不明 / 3.8 GHz | 3.6 GHz | 25 MB | 125W (PL1) 228W (PL2) |
Core i5- 12600K | 6 | 4 | 12 / 16 | 不明 / 4.9 GHz | 4.5 GHz | 不明 / 3.6 GHz | 3.4 GHz | 20 MB | 125W (PL1) 228W (PL2) |
Intel Core i9-12900K vs. AMD Ryzen 9 5950X ベンチマークスコア
12900KS QS Non-OC
— Raichu (@OneRaichu) July 20, 2021
In water cooler.
Cinebench R20.
ST: >810
MT: >11600
さて、Cinebench R20のベンチマーク結果を見てみると、Intel Core i9-12900Kはシングルスレッドテストで810ポイント以上、マルチスレッドテストで11,600ポイント以上のスコアを獲得している模様です。
この際の冷却環境は水冷CPUクーラーです。
このCore i9-12900KのスコアをAMD Ryzen 9 5950X(16コア32スレッド)と比較すると、シングル性能で25%、マルチ性能で11%も上回っていることが分かります。
Core i9-12900Kの性能は最適化により更に向上する可能性
Ryzen 9 5950Xは現状で最速のメインストリーム向けデスクトップCPUと言っても過言ではありませんから、そのスコアをあっさりと上回ってしまうCore i9-12900Kの凄さがお分かりいただけるかと思います。
さらにCore i9-12900Kに関しては現時点のサンプル(QS=Qualifaction Sample)でのスコアとなっており、今後のファームウェアやOS最適化などの調整次第では最終的な完成品のベンチマークスコアはさらに向上する可能性を秘めているため、かなり期待できそうです。
Core i9-12900Kの消費電力・発熱には要注意
性能面ではかなり期待できるIntel Core i9-12900Kですが、前述のとおり現状TDPは公称値で125W(PL1)、ブースト時で228W(PL2)となっており、ブースト時の消費電力はかなり高くなっています。
プロセスが微細化されていっているのでワットパフォーマンスは良くなっているはずですが、200W以上の発熱となるとCPUを冷やすのも一苦労なので、当たり前ですがしっかりしたCPUクーラーを選ぶ必要があります。
オーバークロックも視野に入れる方は言わずもがな、最低でも360mm簡易水冷CPUクーラーは用意したいですね。
2021年末からのIntel対AMDの戦いがアツイ
Intel第12世代「Alder Lake」デスクトップCPUは今年2021年の第4四半期、10月以降の発売が予定されており、しばらくはAMDのRyzen 5000番台デスクトップCPUと競合することになります。
(AlderLakeとAlderLake-Sってどちらが正式なコードネームなんでしょうね?まぁ私はあんまり気にしてません。笑)
しかし来年2022年にリリースが予定されているAMDの「Zen 3」 RyzenデスクトップCPUには、ゲームのパフォーマンスを平均で15%向上させる3D Vキャッシュが採用されると言われているため、Intel第12世代CPUの本格的な戦いはそこからになりそうですね。
さらに2022年末にはZen 4アーキテクチャを採用した「Raphael」(Ryzen 7000番台かな?)をAMDが投入すると言われているため、今回上手くいったとしてもインテルが胡坐をかく時間はなさそうに思えます。
兎にも角にも、第12世代「Alder Lake」はIntelメインストリーム向け初のPCIe 5.0とDDR5メモリに対応したCPUになり、さらに同時期には新OSのWindows 11も立ち上がってくることですから、現時点ではそのシナジーに期待することにしましょう。
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